建物は重力を重心で「受ける」と考えて設計します。
ただし重心は、建物の中の「ここ」と見える一点ではなく、
建物全体の重さが集まっているとみなす計算上の中心点です。
建物には、柱、梁、床、壁、屋根、設備など、いろいろな重さがあります。
その全部に地球の重力はかかっています。
でも設計では、それらの重さをまとめて
「この建物の重さは、ここに集まっているとみなせる」
という一点を出します。
それが重心です。
つまり建物は、
実際には全体で重力を受けている
でも設計上は、その合力を重心に作用する一本の力として考える
ということです。
人体も本当は、
頭
胸
腕
骨盤
脚
それぞれに重力がかかっています。
でも、動きや安定を考えるときには、
全身の重さの中心を、おへそ周辺に意識する
と、とても安定しやすいのです。
なので、いづみんのメソッドでは
おへそで重力を受ける
という表現は、
「物理的に全部の重さがそこに集まる」という意味ではなく、
全身の重さを、おへそを中心にまとめて受け止めるように意識する
という意味で使うと、とても自然です。
建物は、全体の重さが集まるとみなす重心を基準に設計されます。
人の体も同じように、全身の重さを体の中心で受け止めると安定します。
その中心として意識しやすいのが、おヘソです。
建物が重心を基準に安定をつくるように、人の体もおヘソを重心として意識すると、無駄な力みが抜けて安定しやすくなります。
「建物は重力を重心で受ける」
これは設計上の考え方です。
「体はおヘソで重力を受ける」
これは身体を安定させるための実践的な意識の置き方です。
この2つは、完全に同じ意味ではありません。
でも、
全体の重さを、中心で受け止めると安定する
という本質は共通しています。
建物が重心を基準に安定をつくるように、人の体も全身の重さをおヘソで受け止めるように意識すると、力みが抜けて安定しやすくなります。
は
重心とは、この建物の重さはここに集まっているとみなせる、計算上の点です。
さらに少しだけ整えるなら、
重心とは、建物全体の重さがここに集まっているとみなせる計算上の点です。
こちらのほうが「建物全体」という意味がはっきりします。
本で使うなら、私はこの形をおすすめします。
重心とは、建物全体の重さが集まっているとみなせる計算上の点です。
このあと人体につなぐなら、
人の体も同じように、全身の重さが集まる中心を意識すると安定しやすくなります
重心は、グラグラしないための“重さのまんなか”です。
建物には、重さのまんなかがあります。それを重心といいます。
人体につなぐなら、
人の体にも重さのまんなかがあって、それをおヘソで感じると安定しやすくなります。
胸郭と肩甲骨は、骨どうしでがっちり関節しているわけではなく、肋骨の上を肩甲骨がすべるように動いてつながっています。
もう少し機能解剖学的に言うと、
胸郭は肋骨・胸骨・胸椎でできる「かご」のような土台
肩甲骨はその胸郭の後ろ外側に乗っている板のような骨
両者の関係を「肩甲胸郭関節」と呼びますが、これは普通の関節のように骨と骨が直接はまっているものではなく、筋肉で支えられた機能的な関節です
胸郭と肩甲骨を主につないでいるのは筋肉です。
代表は
前鋸筋
僧帽筋
菱形筋
肩甲挙筋
小胸筋
です。
特に大事なのは前鋸筋で、肩甲骨を肋骨に吸いつけるように保っています。
ここが弱い、またはうまく働かないと、肩甲骨が浮いたり、首肩に力みが集まりやすくなります。
肩甲骨は胸郭の上で
上がる
下がる
外に開く
内に寄る
上に回る
下に回る
という動きをします。
つまり肩甲骨は、胸郭という丸い土台の上を「滑走」しながら動く骨です。
だから胸郭が硬いと肩甲骨も動きにくくなり、逆に肩甲骨が固まると呼吸もしにくくなります。
胸郭と肩甲骨は別々ではなく、呼吸と重心で連動するユニットとして見るとわかりやすいです。
おへそ重心ができて、胸郭がふわっと広がり、肩甲骨が胸郭の上にそっと乗ると、首肩で踏ん張らなくて済みます。
反対に、胸を張りすぎたり肩を上げて支えると、肩甲骨が胸郭から浮くような使い方になって、首こり肩こりにつながりやすいです。
一言でまとめると、
肩甲骨は胸郭の上をすべる骨で、両者は筋肉でつながり、呼吸と重心で安定している
です。
必要でしたら次に
「胸郭と肩甲骨と鎖骨の三角関係」
または
「首こり肩こりになる時の肩甲骨のズレ」
として続けて整理します。